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今年の静岡ホビーショーで感じたこと。それはミニカーの出展業者が減ったということだった。以前はホビーショーの華の一つ。しかし今回はどことなく陰りが見られた。

[関連写真]

ミニカーの主役は、サイズが43分の1のもの。勿論今でも主役であることに変わりはないのだが、そんな中で巨大サイズのミニカーが近年ではだいぶ幅を利かせているように思える。それに新しい作り方も目にするようになった。

元々ミニカーといえばダイキャスト製が主流。ところが2000年に誕生した比較的新しいブランド、スパークはボディをレジンで製作。少量ロッドで生産する方法を採っている。また、今年のショーで注目を集めたのは、オートアートが展示したコンポジットモデル。その名の通り、ダイキャストのインナーと、ABS樹脂によるボディを組み合わせたもので、リアルでシャープな造形を高いコストパフォーマンスで実現したものだ。

ではこのレジンやABSといった素材、これまでのダイキャストと比較して一体どこが優れているのか。スパークジャパンの小林さんにレジンに強みについてお話を伺った。レジンの強みは、金型を作らないので、小ロットの製作ができること。これによってこれまで大きなメーカーが作らなかったようなレアなクルマをモデル化できる点。もう一つは接着部分が多くなるので破損のリスクは出るが、それだけ精密で細かい仕上げが可能になる。ダイキャストのように可動部分はないが、その分、あり得ないようなチリ、即ち隙間などが出来ないのでシャープな造形を可能にしていることなどが挙げられた。

もう一つ素人目にはわかりにくいのが、43分の1モデルの価格だ。高いものだと数万円は当たり前。一方で安いものはそれこそ1000円台からあったりする。これらの差は当然ながら、クォリティーの差なわけだが、最近は安いものの質が向上して、高いものとの差を急速に縮めているような気がする。

90年以上の歴史を誇り、世界各国から著名なモデルカーメーカーのものを輸入する国際貿易も、近年自社ブランドを立ち上げ、ミニカーを世に送り出している。そのブランド、ファースト43は、1970年製マツダ・カペラ、あるいは6月に発売予定のマツダ・ロードペーサーなど、ユニークなモデル展開で税別2800円という安さを実現している。また、同じくプレミアムXという自社ブランドからは、マキF1を目下開発中で、予価7200円(税別)でこの7月発売予定だという。

恐らく6000円~7000円といったところが、現在の43分の1ミニカーの主要販売価格帯。だが、今回会場で発見した高価なモデルは、スパークが展示していた8分の1のマツダ787B。その堂々たるサイズ感は見るものを圧倒し、納品も直接購入者にダイレクトで行われるという。価格は45万円也!

このほか注目は、エブロが早くもマクラーレンホンダMP4-30をモデル化していること。さらにホンダS660やNSXなど新車を続々投入しそうなことなど、まだまだコレクターをわくわくさせる製品が作り出されていた。

《レスポンス 中村 孝仁》

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