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ももいろクローバーZ主演舞台『幕があがる』でコンビを組んだ、脚本・平田オリザ、演出・本広克行が手掛ける公演『転校生』。この女子高生21名の群像劇に出演する若手女優を発掘するオーディションの2次選考が25日、新宿村スタジオで開催された。
【写真】舞台『転校生』のワークショップオーディションの模様
パルコ・プロデュース公演『転校生』は、劇作・演出家の平田オリザと映画監督の本広克行が、21世紀にはばたく女優を発掘する目的で再びコンビを組むプロジェクト。公式サイトやオーディション情報サイト「デビュー」で18歳から27歳までの女性を経験不問で募集。応募総数は1474名にのぼり、書類選考によって選抜された121名が、25日に開催された2次オーディションに参加した。
『転校生』は1994年に青山演劇フェスティバルで上演されて以来、高校演劇のバイブル的な戯曲となっている。ある高校生たちの一日を、同時多発会話で描き、他愛のない日々の会話のなかから、彼女たちの日常と社会への好奇心、大人たちへの不信感、将来への不安感が立ち上っていく…という作品だ。
121名は約40名ずつの3部に分けられ2次ワークショップオーディションに参加。夕方に行われた3部には、18歳~21歳の比較的若いメンバーが集められた。エントリーを済ませ、ストレッチなどをしながら開始を待つ受験者。静まり返ったスタジオに緊張が高まる。
ワークショップオーディションは、演出の本広監督が主導して実施。まずは「並んで声出ししよう」と、“年齢順”に並ぶように指示。声を掛け合い、生年月日を確認し合いながら42人が1列に並んでいく。初対面同士だが、もっとも話しやすい話題で、大声を出し合ったことで笑顔も生まれ、緊張も少しほぐれ始めたようだ。
さらに「好きな果物で集合」、「芸歴の長い順に整列」など、よりプロフィールが垣間見えるテーマを与えて行く。この時に大事なのは他者とのコミュニケーション。芝居は一人で作るものではなく、ましてやこの『転校生』は、女子高生の群像劇であり、平田オリザ特有の同時多発的な会話劇である。単純な課題の中にも、今回の作品、そして女優としての適性を見極める要素が含まれているようだった。
続いては10人ずつのチームに分かれての課題へと移る。チーム内で自己紹介を行った後は、「チームで縄跳びをしてください」というお題だけを与えられ、自由な発想で即興演技を行うことに。大縄跳びのルールを率先して決める者、縄を回す役に回る人、体育会系の指導をする者、変わった飛び方でアピールする者と、個性も現れながら、チームワークも生まれていく。本広監督は「他のチームがやることを先につぶした方がいいよ」「もっと面白いほうがいいな」と、より自由な発想を促していく。
参加者の顔が上気するほど身体を動かし温まったところで、やっと自己紹介へ。審査員のテーブルまでまっすぐ道が伸びていると想定して、そこまでフリーに表現しながら歩いて自己アピール。アクロバットを見せたり、即興演技を使ったり、ミュージカルの歌を歌ったりとそのアピール方法もさまざま。事務所所属者も一般からの応募も、大学生もフリーの女優も皆それぞれのキャラクターで監督にぶつかっていった。
最後は先ほどのチームで『転校生』の一部を演じる演技審査。最初のチームから、同時多発の会話劇を見事に演じて見せ本広監督を驚かせる場面もあった。ここでは演出やアドバイス、演技に対するコメントも無かったが、それぞれの演技を注視しながら細かくメモをとっている本広の姿が印象的だった。
この2次ワークショップオーディションの結果を受けて、今後の選考について決定。7月上旬までには、21名の女優が決定することになる。舞台『転校生』は8月22日~9月6日、ZEPPブルーシアター六本木にて上演。
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