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箱根山では火山活動が活発な状態で経過している。気象庁によると、15日は15時までに237回の火山性地震を記録した。同庁は火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)を継続している。
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14日に実施した現地調査では、大涌谷温泉供給施設で蒸気が引き続き勢いよく噴出しているのを確認した。遠望カメラによる観測では、大涌谷で噴出している蒸気のほかには特段の異常はみられない。
4月26日以降増加している火山性地震は引き続き多い状態。15日11時台に箱根町湯本で震度1を観測する地震が1回、14時台に震度1を観測する地震が2回発生した。火山性地震の発生回数(速報値を含む)は5月10日に270回とひとつのピークを記録した後、13日には15回まで減ったが、14日は73回に増え、15日は15時までで237回となっている。
神奈川県温泉地学研究所によると、今回の群発地震活動の地震発生回数の推移は、2001年や2006年、2013年のように緩やかに地震数が増え、やや長い期間活動が続くタイプに近いそうで、地震数の増え方は2001年や2013年よりもかなり速いという。
同研究所が震源位置を推定したところ、4月下旬の活動初期には大涌谷付近のごく浅い場所に集中していた。5月4日から5日にかけて発生した活発な地震活動は、大涌谷直下の深さ0~2km付近を震源とし、震源が深いところから浅いところへ移動していく様子が確認できた。このような活動によって岩盤中に亀裂が入り、蒸気井での異常な噴気の一因になった可能性もあるという。8日ごろからは地震活動の中心が、神山から駒ヶ岳の下、深さ0~2km付近に移動、10日ごろからは深さ2~4km付近での活動が多くなっている。
地殻変動については、同研究所によるGPSの解析結果は、箱根山全体が膨張するような地面の変化を示しており、これはより深い場所にも圧力源があることを示唆するという。
合成開口レーダー(SAR)による観測データを用いた解析では、より局所的な地面の変動がとらえられた。2014年10月9日と2015年5月7日のデータから、大涌谷の直径100~150mの範囲で最大約6cm程度の隆起が認められた。隆起域は、現在活発な噴気異常が認められる蒸気井の位置と概ね一致し、地下のごく浅いところで、圧力が高まっていると考えられる。さらに、3月1日と5月10日のデータを用いた解析では、当初認められた隆起域内の南西部分で、最大8cm程度、衛星視線方向に近づく変位が認められた。
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