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【セガサミーカップ】(北海道ザ・ノースカントリーGC=7167ヤード・パー72)
3位発進の岩田寛(34)が6バーディー、ノーボギーの「66」で回り、逆転優勝(通算2勝目)した今大会。
「18番はすごい勉強になりました。(優勝争いをしていた)今平君が刻んだので、パーで90%くらい優勝すると思ったんですけど、ロングなのにパーでいいという難しさが勉強になりました」
ホールアウト後のテレビインタビューで岩田はこう語ったものの、終始ブスッとした表情。小さな声でボソボソしゃべって、うれしいのかうれしくないのかもハッキリしなかった。
今週は、22歳の今平周吾がいいゴルフを見せた。16番パー3でピン手前4メートルからバーディーを決め、首位に立つ岩田に1打差に迫った。続く17番パー4で今度は岩田が入れ返し、再び2打差。そして迎えた18番パー5で、今平のティーショットは右ラフ。岩田に追いつくためには、2オンしてイーグルを狙わなければならない場面だったが、今平はアイアンを取り出し、レイアップ。3打目をピンそば50センチにつけてバーディーを奪うも結局、パーセーブの岩田に1打及ばず、2位に終わった。
今季の男子ツアーはこれまで8試合のうち、5試合で外国人プロが優勝。ようやく日本人4人目の勝利で、試合内容も若手との一騎打ちとなり、盛り上がる要素はいくらでもあった。しかし、勝った岩田は人見知りのせいか華がなく、どこか間延びしたような面白みに欠ける展開だった。評論家の宮崎紘一氏がこう言う。
「先月の全米オープンにしても、最終日にはR・マキロイらトッププロは怒涛のバーディーラッシュで優勝争いに絡んできた。難しい設定では一歩間違えればスコアを大きく崩すことにもなりますが、積極的にコースを攻めて勝負に出てくる。それが命取りになることもあれば、起死回生のショットが生まれることもある。どこで何が起こるか誰にも分からない。だから見ている方はハラハラドキドキするのです。上位にいる選手も下から迫ってこられたら、安全策などとっていられません。攻め続けるしかないのです。世界のトッププロたちはギリギリのところ、極限状態で戦っているから、何ともいえない緊張感が伝わってくる。だから面白い。それが日本の大会にはないのです」
■プロなら優勝を狙うべき
今平は今季2度目のトップ5入りで、来季のシードをほぼ確実にしたが、試合前、「とにかく優勝より来季のシードを先に決めたい」と目標を設定していた。こういう姿勢がガッカリなのだ。
「今平が18番で2オンして、イーグルを狙ったら展開はどうなっていたか分かりません。でも2打目を刻んだ時点ですべて終わり。テレビの前でどうするんだ、と期待していたファンは失望したでしょう。プロならば勝つために日頃から練習しているわけでしょう。そういう意味では勝利よりシードを選んだ今平はプロ失格です。シード狙いのゴルフでは、手に汗握るような試合展開など望めるわけがありません」(前出の宮崎氏)
テレビ解説の青木功と丸山茂樹は、18番グリーン上で勝った岩田が今平より先にカップインしたことについて、「(今平は)お先にと言うべき」「勝者を称えるべき」「本当はいけないですよね」と言っていたが、そんなささいなことより、今平がどうして2オンを狙わなかったのか、ハッキリ「おかしい」と言うべきだった。
マスターズ、全米オープンとメジャー連勝のJ・スピースは今平より若い21歳だ。もう守りに入ってどうするんだ。
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