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●IoTで新たな“モノづくり”を
IT業界以外でもブームとなっている「ハッカソン(hackathon)」。もともとはプログラマーやグラフィックデザイナーなどがチームを組んで、決められた時間の中で共同作業をするソフトウエア中心のIT業界向けのイベントであった。しかし近年はIoT(※)のトレンドを受けて、IT業界以外の組織もITを新規ビジネスに生かす傾向が活発化しつつある。例えば、「パッカソン」(野球のパリーグ×IT)や「魚ッカソン(ギョッカソン)」(水産業×IT)など、ソフトウエアだけにとどまらずハードウエアも取り入れて、各業界で役立つもの、面白いものを作ることを目指す、IT業界と異業種がコラボレーションしたハッカソンも多く開催されている。
※ IoT(Internet of Things モノのインターネット) インターネットにさまざまな“モノ”を接続する技術
2015年5月に行われた「ABCハッカソン」も、「関西発の新たな“モノづくり”」を目的とした、IoTのハッカソンだ。
ABCハッカソンのテーマは「イベント」。ハードウエアやソフトウエアのエンジニアたちが、「音楽」「ファッション」「スポーツ」などのイベントが楽しくなるような新しい“モノ”の創造を三日三晩にわたって行った。一日目の予選ではアイデア出しを130人で行い、そこで優秀なアイデアをプレゼンした60人が本戦に勝ち進み、二日間かけてアイデアを形にしていった。その模様は、主催のABCテレビでドキュメンタリー番組としても放映される。
今回、ハッカソンのファシリテーターを務めたハブチンが、ハッカソン実施責任者の白井良平氏と番組プロデューサーの安井一成氏に、ABCハッカソン開催の経緯や、テレビ局がIoTを支援する理由などを聞いた。
IT業界以外の人がIT業界向けに行われていたハッカソンと出会うことで、どのような科学反応が生まれたのか。ITエンジニアはもちろん、IoTを契機にして新規ビジネスにITを生かそうと考えているIT業界以外の人たちにも参考にしてほしい。
●何もカタチにならなかった1年間
羽渕彰博(以降 ハブチン) 単刀直入に伺います。なぜテレビ局がハッカソンを主催したのですか。
白井良平氏(以降 白井) 私の所属しているチームは、デジタル技術を活用してテレビの広告収入以外で収益の可能性を探るのがミッションなのですが、非常に苦戦しておりました。
ハブチン おぉ。これは初っぱなから重たい話になりそうですね。
白井 そんなある日、同僚に誘われてハッカソンに参加してみたんです。
ハブチン いかがでしたか。
白井 衝撃的でした。赤の他人がチームを組んで、その場で“モノ”を作り出す。熱くなり過ぎてケンカになるときがありながらも、最後は一丸となって“モノ”を作り上げるあのスピード感と熱狂は、本当に面白いと思いました。
ハブチン 短時間で知恵を絞ったり、切磋琢磨(せっさたくま)したりして、“モノ”を作るのは、ハッカソンの醍醐味(だいごみ)ですね。
白井 今までは、テレビの広告収入以外で「収益を上げる」という考え方だったんです。でもハッカソンに参加して、自分たちの収益向上を目指すだけではなく、参加者を中心にして、放送局が「場を提供する」ことも大切だという方向に考えが切り替わりました。
その時に生まれたコンセプトが、「関西に長年受け継がれてきた“モノづくり”の高度な技術とアイデア、情熱を次世代に伝えていくために、世の中を変えるプロダクトを生み出す場を作りたい」というものでした。
会社のリソースを使ってハッカソンを開催したい。そう思って、会社に戻って提案しました。
●「ハッカソンって何? よう分からん」
ハブチン 結果はどうでしたか。
白井 会社の人にはことごとく「ハッカソンって何?」と言われました。
ハブチン 知らない方には、ハッカソンがどういうもので、何のために開催するのか、よく分からないですよね。安井さんはABCハッカソンのドキュメント番組を作られましたが、最初に白井さんから「ハッカソンをやりたい」と聞いたときは、どう思われたのですか?
安井一成氏(以降 安井) 最初に話を聞いたときは正直、「ハッカソンって何? よう分からん」って思いましたね。
ハブチン やっぱり! それなのになぜ「やろう」と決断したのですか?
安井 ハッカソンのことはよく分からなかったのですが、“モノ”を作るためにケンカまで起きるという話に、リアルな人間ドラマとしてのオモシロ味を感じました。以前制作に携わっていた「M-1グランプリ」という漫才のナンバーワンを決める番組と「近いな」と思いました。
M-1グランプリの魅力の一つも、リアルな人間ドラマの部分なんです。漫才コンビが真剣になって「オモシロイもん」を作って競う。そのリアリティが人々の心を動かすのではないかと思っています。だから、作る“モノ”は違うけれど、番組にできるんじゃないかと。
ハブチン ハッカソンは、メイカー(製品を作り出す人)たちのM-1だというわけですね。
安井 とはいえ不安でしたよ。ハッカソンなんてやったことないですし。最後の一押しは白井の情熱でした。
白井 「ハッカソンを実現できなかったら、このチームはこの先何にもできないだろうな」と思いました。「何がなんでもやってやろう」という決死の覚悟で安井さんを説得しました。
ハブチン 運営時に私が感じた白井さんの気迫には、そういう背景があったんですね(笑)
●心掛けたのは「参加者第一」の目線
ハブチン ABCハッカソンを企画する上で心掛けたことはありますか?
白井 参加者を第一に考えることですね。こちらの都合だけでハッカソンを運営してしまうと、時に参加者の意向と合わないことが出てしまうなと思いました。
ハブチン 確かに、いわゆるコンテスト型のハッカソンの多くは、主催者やスポンサーの意図に合わせたプロダクトを開発することが多いです。そこでは参加者が作りたい“モノ”よりも、意向に合わせたプロダクトが評価されることがあります。
白井 そんなの参加者はオモシロクないじゃないですか。だからこちらの都合は極力考えなくても済むように、テーマはテレビそのものではなく「イベント」にして、さらに「音楽」「ファッション」「スポーツ」「フリー」の4ジャンルに分けて、参加者が好きに選べるようにしました。
ハブチン なるほど。そういう意図があったんですね。
安井 今回の番組の制作で重要なのは「リアリティ」でした。ある種予定調和というか、結果が見えていた方がテレビ番組としては作りやすいのですが、それだとどこかオモシロクない。参加者がとことん真剣に“モノ”作りに挑み、われわれはそれを淡々と追い続ける。最後の最後まで、結果がどうなるかは分からない。そこに「リアリティ」があって「オモシロ味」が出てくると思ったんです。
でもディレクターとカメラマンは大変でしたよ、ずっと撮り続けないと何が起こるか分からないわけですから。気が付いたらテープ200本回していましたからね。
ハブチン えっと……テープ1本1時間だから……200時間! 丸8日以上!!
安井 正直、イベントが終わってからも、いまだに僕らはハッカソンし続けています(笑)。
●これからのテレビ局の役割とは
ハブチン ABCハッカソンを開催して、ご自身に変化はありましたか?
白井 放送局の役割をあらためて認識できました。今の放送局は、すでに有名な人や組織を取り上げて世の中に発信しています。それって安井の話ではないですけれど予定調和なんですよね。
でもこれからは、まだ世の中には知られていないけれど、オモシロイ“モノ”を作っているメイカーたちを発掘する。一人ではできない部分は、ABCハッカソンを通じて人と人をつなぐ。一過性のイベントではなく、ハッカソン終了後に商品化まで持っていけるようにしたいんです。
例えば今回のテーマはイベントでしたので、ABCテレビが関わっている数々のイベントの主催者と商品化の実現に向けた交渉ができると思います。現在もABCハッカソンで生まれたチームと一緒に商品化に向けて動いています。ABCハッカソンを、メイカーを輩出するプラットフォームにしていきたいなと思います。
安井 製造業で成り立ってきた関西の経済ですが、必ずしも好調とは言えない状況が続いています。ABCハッカソンのような番組を作ることで、“モノづくり”で頑張っている人たちに光を当てて、協力してくれる人たちを集めて、将来的に関西発の新たな“モノづくり”を世界に発信できれば、と考えています。それが関西のテレビ局の役割でもあると個人的には思います。
イラク北西部の村で武装組織「イスラム国」(IS)に拉致され、シリアの少年軍事訓練所に入れられたヤズディ教徒(ヤジディ教徒)の子どもたちは、イスラム教に強制改宗させられ、毎日コーランの勉強と銃の扱い方などを覚えさせられた。教官はISの処刑映像などを何度も見せたという。3月に脱出したフェルハン君(14)に避難先のイラク北部で話を聞いた。【玉本英子・2015年4月】(全3回)
訓練所で何を教えられたの?
フェルハン:毎日厳しい日課があって、コーランの勉強のほかに、いろいろな武器の使い方を学ばされた。カラシニコフ銃の扱い方や撃ち方も教えられた。
訓練所を視察に多くの戦闘員がやってきた。スーダン人、ロシア人、アラブ人、アメリカ人、ドイツ人もいた。僕たちは普段シャツとズボンを着ていたが、見学者が来たり、撮影の時などは迷彩色の戦闘服を着せられ、頭に黒の鉢巻をつけなければいけなかった。
あるとき、教官に弟と戦うことを命じられたことがあった。本気で戦わないと殺すと言われた。僕は弟と素手で戦い、顔を殴って歯を折ってしまった。「お前たちはペシュメルガと戦うのだ、殺すのだ」と毎日教えられた。
【※ペシュメルガ=イラク・クルド地域の防衛部隊】...本文:1,124文字
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レノボ・ジャパンは、全く新しいビーチスタイルを提供する海の家「Lenovo House atQuick Silver(レノボ・ハウス アット クイックシルバー)」を、7月3日に「由比ガ浜海水浴場」(神奈川県鎌倉市由比ヶ浜4-4)にオープンする。営業期間は8月31日まで。
【写真入りの記事】
「ITでビーチをもっと楽しく!」をコンセプトにした海の家。さまざまなITを活用して快適なビーチライフを提案する。タブレット端末「Lenovo YOGA Tablet 2」の無償レンタルサービスを実施し、ビーチで寛ぎながら飲食のオーダーができるほか、インターネット上のさまざまなコンテンツを日光浴とともに楽める。スマートフォン充電サービスなども提供する。
「レノボ・ハウス」で初となるNFC搭載のビーチパラソルの貸出も行う。NFC対応のスマートフォンをビーチパラソルのNFC部分にかざすことで、特設サイトのURLを入手することが可能。特設サイトには、男性専用・女性専用の2種類があり、お気に入りの写真などを投稿・閲覧することができる。
ハーフブラジリアンカットを提唱するビキニブランド「ALEXIA STAM」のデザイナーで実業家の山中美智子さんをレノボ・ハウスのアンバサダーに起用。山中さんがさまざまなイベントに参加し、レノボ・ハウスをさらに楽しく盛り上げる。また、山中さんがプロデュースした地元鎌倉周辺の食材を生かしたオリジナルスムージーも提供する。
地域情報アプリ「由比ヶ浜アプリ」と連動した最新のレストランや観光地情報などの「由比ガ浜」ニュースも配信。レノボが継続的に若者のアクティブライフをサポートしていくために発足したスペシャルプロジェクト「Lenovo Active Caravan」とも連動し、現場で行われているイベントなどの情報を随時更新する。
「渋谷PARCO」でキャンペーンを実施。7月2日にオープンする渋谷最大級の水着売り場「水着アイランド」で水着を購入した人を対象に、レノボ・ハウスで利用できるビーチパラソルとビーチベッドの無料チケットをプレゼントする。
米国でまもなく、コーヒーカップをデザインして製作し、同じ場所でそのカップにコーヒーを注げるようになる。3Dプリンターカフェでは、顧客は自分用の収集品、道具、それに食べ物さえも作りだせる。エスプレッソを買って、家族の顔を埋め込んだスーパーヒーローのフィギュアができるのを待つことも可能になる。
3D(3次元)印刷が幅広く普及し、手に届くようになり、3D印刷の技術を顧客に提供するカフェが世界中で出現し、米国にも進出しようとしている。カフェのオーナーは、3D印刷というなじみのない技術についてもっと知りたいと思っている初心者と、定期的に3Dモデリングを使用している建築家やエンジニアの両方をターゲットにしていると話す。
ベルリンにあるカフェ「ディメンションアレー」では、プレゼントとして自分ないし最愛の人をかたどった小型のフィギュアを作る人が休日に多く見受けられる。2013年に夫とともにこのカフェを開設したノルマ・バールさんの話だ。
人類学専攻の学生アレックス・マーシャルさん(30)は週に3-4回、この「ディメンションアレー」を訪れるという。始める前は3D印刷の知識がほとんどなかったが、これまでにカフェにある技術を使ってシガレットホルダー(巻きタバコ用のパイプ)をプリントした。今度は携帯電話ホルダーをプリントする計画だ。
マーシャルさんは「いったん見ると、興味を持たずにはいられない」と述べ、「実用的なポテンシャルがあまりにも大きいからだ」と話した。
カフェは消費者向けのプリンターを置いている。小さな物や模型のデザインやプリントに興味を持つ趣味の愛好家たちが使うタイプだ(3D印刷技術の大半は、工業的な目的で使われている)。
3D印刷市場を専門とするコンサルティング会社ウォーラーズ・アソシエーツの首席コンサルタント兼社長のテリー・ウォーラーズ氏によると、平均的なデスクトップ型3Dプリンターの価格は2014年の時点で1台1243ドル(約15万4000円)だった。価格は次第に手頃になっているものの、同氏は3Dプリンターが標準的な家庭用品になるとの見方には依然懐疑的だ。ただし初心者を指導したり、自宅にないかもしれないものを提供したりすることで、3Dプリンターカフェは生き残れると述べている。
同氏は「多くの人々は、自分や他人用に新しい製品をプリントできると思って購入するが、それほど簡単ではない」と話す
3Dプリンターで物を作るには通常、プリンターそのものの知識のほか、コンピューター支援設計(CAD)ソフトの知識も必要となる。ユーザーはプリントしたい物体をスキャンするか、作りたいもののデジタルファイルを製作し、それを3Dプリンターにアップロードする。3Dプリンターはそれを読み取り、水平な層状にしてプリントして、3Dの最終製品を作り上げる。
カフェの利用料金は、その設置場所や設置している3Dプリンターの種類によって異なる。ベルリンでは3Dプリンターの使用料が30分間で約8.43ドル(約1050円)からだし、FabCafeバルセロナのオーナーは30分間で13.50ドルの使用料を徴収している。オーナーたちは初心者が気軽に利用しやすいように、価格を安く抑えていると話す。
カフェが親しみやすい雰囲気を出すことは、3D印刷技術になじみのなさそうな人々を集める上で不可欠だ、と世界で5カ所のカフェを運営するFabCafeグローバルの共同創設者トッド・ポーター氏は指摘する。同社のロンドンと東京のカフェでは、親しみやすくするため、アルコールを提供する。
一部のオーナーは3Dプリンターのメーカーと協力して諸経費を負担した。メーカーは3Dプリンターを寄贈ないし貸し出して、自社自身の露出の機会を増やした。ポーター氏によると、このような提携協力もあったおかげで、東京のFabCafeは開店から18カ月強で黒字化したという。
米国では、3Dプリンターカフェは海外ほどの勢いを得ていない。「テックショップ」の共同創設者で最高経営責任者(CEO)のマーク・ハッチ氏はその理由の1つとして、米国では3D印刷サービスが幅広く普及していることを挙げる。テックショップは、月額料金を支払った会員が試作や製作用のマシンを使用できるメイカーズスペースと呼ばれる施設を運営する。
クリステン・スミスさんとパートナーたちは、米国初の3Dプリンターカフェの1つを開設するのはニューヨークだと決断した。家賃が高いにもかかわらず、ニューヨークにしたという。
スミスさんのグループは、この技術がアクセサリーや衣料品をカスタマイズするために一層使われるようになると考え、ニューヨークのマンハッタンに出店を決めた。マンハッタンにはデザインやファッションの世界との深いつながりがあるからだ。グループは場所探しを続けており、夏が終わるまでにはオープンしたいと考えている。
By KERRY CLOSE
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